【女性のキャリア】悩んだときは、誰に相談するといいの?

今後の働き方で悩んだとき、誰に相談するのがよいですか?

今回は、「悩みを誰に相談するか」についての質問にお答えしたいと思います。

女性のみなさんがキャリアで悩んだとき、一般的には、友人や家族、職場の先輩など、身近な人に相談することが多いようです。とくに仕事上の悩みであれば、現状をよく理解している同僚や先輩に相談するほうが、家族や知人よりも背景を理解してくれている分、適した助言をもらえる可能性がありますよね。

ただし悩んだとき、「誰に相談するか」は、最も慎重に選びたいポイントです。

なぜなら、相談した相手によって導かれる結果が大きく違ってくるからです。

まずは、悩みを相談する「相手」をリストアップしてみると、

・家族
・上司・先輩・同僚
・友人
・同じ経験をしている人
・自分が尊敬や信頼している人
・専門家


このような人たちが、相談相手としてあげられますよね。誰に相談するかによって、それぞれメリット・デメリットがあるので、それらを理解したうえで相談するとよいです。

それでは、1つずつ解説していきます。

●家族に相談した場合

「他人には知られたくない悩み」は、家族に相談するのがよいです。

ただし、家族は、最も「利害関係がある人」。利害関係がある人に相談した場合、相談された人は「自分の立場」「自分の身を守る」必要があるため、100%相談した人の立場で相談にのることが難しくなります。

例えば、既婚者でお子さんがいる女性が「会社を辞めて起業したい」と、夫に相談した場合、妻が安定した収入を得られる会社勤めを辞めて、未知なる独立起業に挑戦するとなると、現在の妻の収入を失うことになり、また育児や家事の面にも影響があるため、どうしても夫から反対されるケースが多いようです。

上司・先輩・同僚

上司・先輩・同僚などは、日頃の関わりが強いため、あなたのよき理解者であることがメリットです。

ただし、家族と同じく、職場の人たちは、利害関係にあります。あなたが会社やチームを離れることで何らかの影響を受けるため、会社事情や、チーム事情を優先したり、相談された人が自分の感情や考えを優先しがちです。

職場関係者も利害関係にあるため、相談にのる際に「自分の立場を守る」という意識が働いてしまうため、引き止めたり、諭したり、他人の利益が優先され、「あなた自身がどうしたいか」ということを自身で考えることを阻まれてしまうことがデメリットになります。

●友人に相談した場合

友人は、家族や職場の人間のような利害関係はなく、家庭の事情、会社の事情よりも、「あなた寄り」の立場で相談にのってもらえることがよい点です。

けれども、友人の場合は、相談した相手のタイプに影響される点が懸念されます。

とくに、何事にも慎重な性格、否定的な性格の人に相談した場合、消極的な選択に偏りがちです。友人に相談したことで、決断が揺らいだり、迷いが深まったり、より悩みが増幅することもあります。

また、自分の経験や価値観を押し付けるタイプの友人に相談した場合は、あなたが自分の価値観ではなく、友人の価値観で選択をし、のちに後悔することにもなりかねません。


●同じ経験をしている人に相談した場合

あなたと同じ経験をしている人や、信頼している人に相談する場合は、すでに意思が決まっていて背中を押してほしい時には有効です。

一方で、デメリットは、その人の意見に流されたり、強い影響を受けやすくなったりすることです。経験者の言うことには説得力がありますが、その人の経験が、あなたにすべて宛てはなるとは限りません。

また、自分が尊敬する人や強い信頼がある人に相談した場合には、その人の考えに大きく影響されてしまい、自分はどうしたいのは「自問自答」する機会が得られず、視点を変えて検討することができないまま決断することになってしまうこともあります。

●その分やの専門家に相談した場合

専門家に相談する場合のメリットは、その分野の知識が、あなたよりも豊富なことです。

一方で、その分野のエキスパートなので厳しい意見になったり、ティーチング(指導)がメインになってしまったりすることが多いようです。また、「専門家=傾聴スキルがある」わけではないので、あなたの悩みを話したり、聴いてもらうというよりも、専門家の話しを聞くことが中心になってしまう可能性が高いです。

時には、専門家から様々指摘をされて、悩みがより深くなったり、傷ついたりする人もいるようです。

相談相手にオススメなのは、「傾聴スキル」を実践できる相談のプロ

「傾聴スキル」とは、相手の話を、「受容的・共感的・肯定的に聴く」スキルのことです。

傾聴スキルを身につけているキャリアコンサルタントやカウンセラーは、あなたの悩みや考えに対し、決して否定することなく、また自分の考えを押しつけることなく、「〇〇さんは、こう考えるんだな。こう感じているんだな」という姿勢で相談にのってくれます。

あなたの代わりに答えを出してくれる人ではなく、あなた自身が自分の価値観や考えにもとづき「意思決定」できるように導いてくれるのが特徴です。

ただし、心理カウンセラーの有資格者、キャリアコンサルタントの有資格者など、カウンセリングを学び資格を取得した人全員が傾聴スキルを実践できるかというと、残念ながら、そうではないのが現状です。

私も約10年間、キャリアコンサルタント国家試験の受験対策講師として、1000人以上の方々に傾聴スキルを指導してきましたが、本当に実践できる人、傾聴スキルを用いてクライエントの答えを導き出せる人、気づきを与えられる人、変容をもたらせる人は、1割いるか、いないかだと思います。

実際に自死願望がある方が、私のキャリアセッションを受けた際にこうおっしゃっていました。「毎月、心療内科でカウンセリングを受けているのですが、行くたびに思い出したくないトラウマを掘り返されて、かえって体調が悪くなるんです・・・。でも今日は未来の明るい話ができて、すごく気持ちが軽くなりました」と。

つまり、クリニックに勤めている心理カウンセラーであっても、クライエントさんによっては治療が合わない場合もあります。

カウンセラーは個人の力量にかなり差があるので、相談にのるプロへ相談してみて何か違和感を感じたのならば、その人のやり方が全てではないので、別のカウンセラーの方を探してみるとよいと思います。

以上、今回は「誰に相談するか」という質問について、私の考えをお話してみました。
この記事が、悩みを相談したいみなさんのヒントになれば嬉しいです^^

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